医療ビジネス

医療系、健康系のアプリケーションは今後注目株です。開発、マーケティングのアドバイスはお任せください。ご連絡、お待ちしております。医療や介護の諸問題についても解説します。講演の依頼もお受けしております。

2016-01-01から1年間の記事一覧

ヒューマンエラー 使いやすいシステム・アプリへのヒント

最近、同じような事故が2件あって非常に関連性が高いのでそこから何を洞察したら良いのかを考えてみたいと思います。一つは11月26日にコロンビアでブラジルのプロサッカー選手を乗せたチャーター機が墜落した事故です。先日、調査委員会が人為的ミスが…

マクロチーム医療 製薬メーカーのマーケティングの未来

以前、日本製薬工業会(医薬産業政策研究所)から講演を頼まれチーム医療を絡ませながら製薬メーカーのマーケティングについてお話ししました。それはそうとして、私のようなものでいいのですか?と聞いたくらいにそぐわない、翌月は日経BP社の宮田満さんだ…

医師のフラットなネットワーク

ある大学医学部の医局が医局員に、バイトを辞めるか?医局をやめるか?を迫っています。医局は今や崩壊の危機に立っています。教授という役職の権力はほぼなくなりつつあり、各大学はいかに学生たちに人気のある医師を教授に迎えるかに苦心しています。 先の…

医療IT化はなぜ進まないのか? 第2弾 ITリテラシーの相違

以前から医療ビジネスの相談を受けた時によく言うのですが、医療機関の職員は医師、看護師、事務員に至るまでITリテラシーが低いことに気をつける必要があります。これは決してITの能力が低いと言うわけではありません。PCなどを使う必要のない仕事が多いの…

祝開設20周年 抗菌薬インターネットブック

「抗菌薬インターネットブック」という日本で処方されている抗菌薬のインターネット上のデータベースです。これを公開したのは、1996年の12月でした。つまり、公開から20年も経ちました。私が最初に手掛けたwebサイトです。 抗菌薬インターネットブック 公開…

EBHとは evidence based health

EBHは目新しい言葉ではありませんが、ここにきて注目を集めています。簡単にいうと、「健康であるための証拠」、言い換えれば、「どのような生活をすれば健康でいられるか」ということになります。以前の投稿でEBMについて触れましたが、EBHが遅れた原因はev…

「本当に正しいがん医療情報」を届けるためにまずやるべきこと。

MEdicalNoteというサイトに「国立研究センターがん対策情報センター設立10年を迎えて」の記事があり拝読させていただきました、厚生労働省厚生局長の福島靖正氏は次のように述べられています。 インターネットが普及したことで、現在では誰でも手軽にがん…

医療のIT化はなぜ進まないのか? コストと投資の違い

つい先日、HEALTH2.0のイベントが日本で開催されました。Health 2.0は、ヘルスケアとITの融合領域であるデジタルヘルスに関するイベントで、Health 2.0社が2007年に立ち上げました。おそらく多くの人が想像するのは、病院などのIoT化などが進んでいくイメー…

薬価問題をどう解決していくか

オプジーボという名前の抗がん剤があまりにも高いので、本来ならばさ来年度の4月の改定のはずが急遽来年2月改定で50%下げられるというニュースが流れ、さらに、2年に一度の薬価改定を毎年改定してはどうか?という政府の要望が出てきています。薬価は…

ギャンブル依存症〜精神疾患全般の患者数が減らない現状〜

社会保障審議会が厚生労働省の療養病床の一部を介護施設に転換する案を大筋合意したと報道されました。増大する医療費を抑制することが大きな目的です。そこで病床数は現在どの程度か厚生労働省の資料を見てますと、平成28年1月末の数字で、以下のように…

がん対策基本法とがん対策推進基本計画

先日、ご近所でいつもお声がけしてくれる年配のご主人がガンで亡くなられました。それまで普段通り、奥様の車で買い物に出かけておられたので、びっくりしましたが、ガンが総じて亡くなる直前まで普段通りの生活ができます。もちろん肺炎など他の疾患を併発…

在宅看取りの満足度評価と医療介護介入の在り方に関する研究

これは3年ほど前に、私、山崎博史が書いたResearch&Questionsです。しかしながら、あまりにも手間と症例数を必要とするために、最後まで研究が進まなかったものです。おそらく大きな大学病院が関係医療機関と共同で行わないとできない研究だと思います。ど…

生活習慣を見直して健康な体になろう

以前投稿した「改革項目」の中の「生活習慣病治療薬等の処方のあり方」について考えてみたいと思います。厚生労働省の資料には 生活習慣病治療薬の処方は、性・年齢、進行度、副作用のリスク等に応じて、基本的には個々の患者ごとに医師が判断すべきものであ…

在宅医療も地域包括ケアも知られていない

あるサイトに辻彼南雄先生(水道橋東口クリニッック)の談話が載っていました。曰く、「在宅医療のことを知っている患者はほとんどいない」。思わず頷いてしまいました。実は、過日一般の方々に介護保険について講演をいたしました。講演後、アンケートを取…

関西と関東のつゆの違いは

寒くなってくると暖かいお蕎麦をいただく機会が増えてきます。いつも関西と関東のつゆの塩分が気になる私は知り合いの管理栄養士Aさんに実際のところどうなのか聞いてみました。関東のつゆは確かに黒くて塩分が多そうだけれど、関西は薄口醤油を使っている…

遠隔医療は進んできた

このような記事を読むと、本当に遠隔医療が身近になったと感じます。1998年か99年ごろに北海道大学病院(だったと思う)の看護師の佐藤仁美さんにお会いしたとき、携帯電話で在宅療養している患者さんの褥瘡を医局へ送って医師の指示を仰ぎ処置をしたという…

終末期のヘルパーの役割

以前、行われたケアカンファレンスでは、終末期の患者さん(90歳以上、男性、独居)についてケアマネージャーを司会に、医師、看護師、ヘルパー、ディサービスなどを交えて意見交換を行った。ケアマネージャからこの1ヶ月ほどの現状報告を総括してもらいな…

来年から始まるスイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)

先日投稿した「改革項目」の中の「スイッチOTC化された医療用医薬品に係る保険償還率のあり方」について書いてみます。 昨年の12月に示された平成28年度税制改正の目玉改正に薬局で買った薬も医療費控除にするというものがあります。問題もあることはあり…

科学的根拠のない薬は昔からあります

週刊朝日に「最新調査で判明! 科学的根拠の“ない”薬は当たり前に存在した!」という記事が出ました。一般の人には、「そうなんだ!!」と思われるかもしれませんが、この業界では当たり前、というよりも大昔からそうでした。EBM(evidence-based medicine)…

高額療養費制度は若者に優しいか?

ここ1週間ほど、厚生労働省を中心に社会保障費の増加を抑制するために、医療・介護の改革案を見直しており、ニュースで流れています、その中でも高額療養費制度に関してです。高額療養費制度とは、ある一定を超えた医療費は戻ってくる制度です。 具体的には…

医療情報は正確性、客観性、最新性が必要です。

すでにニュースなどで広く知られていますが、DeNAが公開していた医療情報サイトWELQが問題になり閉鎖に追い込まれました。社長も責任を取って30%の減収となったようです。 インターネット上の情報は玉石混合で正しい判断をするにはそれなりに予備知識や情…

在宅医療の看護師

在宅医療で活躍する看護師には、在宅療養支援診療所で医師と行動を供にする看護師と訪問看護ステーションで在宅へ訪問する訪問看護師がいます。 在宅療養支援診療所の看護師は、医師の補助として看護業務を行い、訪問看護師は医師による訪問看護指示書を元に…

セルフネグレクトに関して考える

セルフネグレクト問題が頻繁にニュースで流れるようになってきました。セルフネグレクトは、自己放任と言われ生活に関する能力や意欲が低下している状態です。ニュースなどで問題視されるのは高齢者ですが、実は全世代に関してこのような状態になっています…

ケアマネージャーの仕事

まず、介護のサービスを受けるにあたって、最初に対面する人がケアマネージャーという職種の人です。「マネージャー」という言葉からも分かる通り、介護サービス全般のマネージメントを担います。 介護相談 最初に、ご家族などからじっくり現在の状況を聞き…

医療・介護の改革項目

現在、厚生労働省を中心に見直されている項目を私なりに列挙してみました。医療保険は、「入る」を増やし「出す」を減らす。介護保険もほぼ同様、医療提供体制は、今後の需要に見合った提供体制と地域偏在の是正です。 医療保険 高額療養費の見直し 介護療養…

家族が介護する場合

家族は一番身近で、要介護者の性格などを熟知しています。また、同居していればちょっとした変化も気がつきます。しかし、家族だからこそお互いに言いたいことも言えるし、愚痴もこぼしてしまいがちです。そのためギクシャクするケースが多いのも事実です。…

要介護の原因になる疾患

介護が必要になった主な原因についてみると、「脳血管疾患」が21.5%と最も多く、次いで、「認知症」15.3%、「高齢による衰弱」13.7%、「関節疾患」10.9%となっています。男性の場合、「脳血管疾患」が32.9%と特に多くなっています。それぞれどのような…

高齢者の運転は危ないのか?

ここ数年、高齢者の自動車事故が多く報道されています。マスコミがあえて小さな記事でもこのカテゴリーに入るのなら敢えて載せるということもあると思いますが、まず間違いなく増えていると思いますし、これからもっと多くなるでしょう。 なぜなら団塊の世代…

勇美記念財団の在宅医療のシンポジウム

今年も、多くの関係者が集ったようです。実は、今年は用事があって行けなかったのが残念です。今年の様子はNHKのニュースでも紹介されていましたが、より具体的な問題点に突っ込んだ議論がされたようです。 その一つに「認知症やがんなどの知識が足りない」…

介護を乗り切るために

介護は大変です。認知症の人に寄り添いたいといっても実際は簡単ではありません。そのような中で、どうしていけばよいでしょうか? まずは介護者自身が自分の生活を良いものにするべきです。自分だけの時間を持ちましょう。介護者自身がある意味余裕を持てな…