医療ビジネス

医療や介護の諸問題について解説します。講演の依頼もお受けしております。

在宅療養とニュータウンの変遷

ベビーブーム

 1947年から1949年にかけてベビーブームが起こった。この間の出生数は250万人/年で、ベビーブーム世代は約800万人いるとされている。いわゆる「団塊の世代」である。

 団塊の世代が大人になり結婚して、マイホームを持つ時代は高度成長期である。それまでは無秩序な住宅建設が行われて来たが、鉄道会社や都市整備公団が計画的な都市計画をするようになる。有名なところでは、多摩ニュータウン千里ニュータウンなどがある。その後、ニュータウンは全国各地で開発されて、現在2000を超えるニュータウンがある。

ニュータウン開発に伴い、その中心地に学校、警察、消防、公園、スーパーなどと同じようにクリニックも開発され、また、小学校区単位あたりに独立開業を目指す医師が自宅兼クリニックを開院してきた。

これらのニュータウンが今、壮年期を経て老年期に入ろうとしている。そこに住む住民も高齢になり同時にそこで開業している医師も高齢者になってきた。当然高齢者は、今までのように診療所へ出向いて外来診療を受けることが難しくなり、徐々に在宅において療養、施設への入居、入院先で死去、となっていく。

ニュータウンの変遷

ニュータウンの経過と現状をもうすこし詳しくみていくと、次のようになる。

  1.  ニュータウンは全国に2000あまり開発されてきた。これまで開発されてきたニュータウンは、働き盛りの人達が中心の街で、医療の中心は内科を軸として産科、小児科である。
  2. 街が成長期に入るにつれ、産科は減り、小学生から高校生、壮年期の婦人が主な患者層になる。
  3. 街が成熟期に入るころ、駅前に医療モールが出現し始める。世はコンビニエンスな時代に突入しており、買い物のついでに医療を受けるようになってくる。また、徒歩で診療所へ通える年代が減り、車で出かけていける駐車場のある駅前クリニックに患者が多くなる。
  4.  現在、街は老年期に入って来ている。ニュータウン開発当時に入って来た診療所の医師も高齢化してきている。30年前と違うのは、サラリーマン世代が定年退職して自宅にいるようになったことである。当然、医療にかかる場所も、以前は会社の近くの診療所であったのが、自宅近くの診療所に通うようになり、また駅前の医療モールにかかるようなる。一気に患者が増えたのだが、近隣の医師のキャパシティーを超えており、また今まで外来に通っていた患者が在宅療養に移行すると往診に出かけなければならなくなる。そこに駅前の医療機関や医療モールが在宅医療に携わるようになる。

なお、全国のニュータウンリストは国土交通省のサイトに掲載されています。http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/tochimizushigen_fr2_000011.html