医療ビジネス

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花粉症の薬を保険適用外にする?

花粉症の薬を保険適用外にする。 なんだかとんでもない提言が健保連から出ていて物議をかもしています。 市販薬の金額と、医師の診断をあおいで薬剤を処方してもらう金額はほぼおなじだ。

だから保険適用外にするとその分医療費が削減できる。 簡単にいうとこういうことです。 しかし、これはとんでもない間違いです。重症化する可能性が大いにあります。 まず、鼻水やくしゃみ、目のしょぼしょぼがでたら、花粉症であるかどうかは素人には判断できない。一般の人が薬局へ行って花粉症の薬を自己判断で選ぶとすれば、コマーシャルでよく目にするものを選びがちです。 しかし、花粉症といってもそのアレルギーの元(抗原)の違いから症状も違ってきますし、効かないどころか、余計ひどくなる可能性があります。素人の判断は危険です。 こと細かくなると非常に長くなるので止めておきますが、花粉症になったかな?と思ったら受診をおすすめします。

仮に健保連が医療費削減を求めるなら、習慣で治すことが可能な、高血圧、糖尿病などの生活習慣病です。花粉症のようなアレルギー疾患は素人の自己判断は危険です。咳がでたからといって花粉症の市販薬を飲んでいても、実は肺炎であって取り返しのつかないこともありますから。

花粉症 #医療費

 

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花粉症の人

 

患者の4分の1以上は薬剤師のアドバイスを聞かずにリスクを増大している

患者の4分の1以上が、薬剤師のアドバイスを聞かずに体へのリスクを受けている。というNPAの調査です。日本ではどうか?大学病院などの前にあるいわゆる門前薬局では、患者さんの処方箋をこなすのに忙しくて、一人一人の患者さんへのアドバイスはおそらくできないのではないでしょうか?

アドバイスといえば、薬の飲み方の注意が主ですが、それさえもあまり高齢者には守られていないという印象を受けます。ここで、皆さんにアドバイス。風邪などをひいて、Hacなどの薬局へ行っても、薬剤師はいますので、アドバイスを受

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けましょう。風邪薬一つとっても、自己判断は禁物です。

 

山崎博史 ネットスタイル

 

www.pharmaceutical-journal.com

保存保存

アルツハイマー薬 世界で約100種類が開発中

これだけ認知症が世界に蔓延しているのですから経済的損失は相当なものです。さらに厄介なことに認知症といっても様々なタイプがあってあるタイプに効いたとしても他のタイプには全く効かない可能性があります。

最近の逆走などの事故などには「前頭側頭葉認知症」がありますが、症状に罪の意識がないので事故を起こしても「また、車を買わなけりゃ」という言葉が出てきます。本人や家族以外に影響が出ますので深刻です。

山崎博史 ネットスタイル

www.nikkei.com

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遠隔医療の前倒し活用

telehealthは公衆衛生、特に、治療計画に関する患者の積極的な行動を促すべきだ。この記事からはそのように受け取れます。現在、海外も含めてtelehealthは治療のために使われていますが、このarticleでは前倒しすることによって、医療関係者の負担を減らすことも視野に入れているようです。で、これは良い取り組みですが、日本ではどうかな?

海外ではアクセスに制限がかかり、医師の診断を受けられない人が多いので、この取り組みは患者にとってメリットは大きいですが、日本は医療機関に自由にアクセスできるのでありがたみを感じることが少ないような気がします。しかし、すでに医師も疲弊している現状を鑑みれば、うまく利用することができると感じます。

 

https://www.healthcarefinancenews.com/news/why-telehealth-should-focus-population-health-treatment-plan-adherence-model-evolves

 

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福岡で業界初、卸売業が患者宅へ医薬品を配送

以前から懸案だった問題。ただし、解決されない問題も残っており、これからの実績の中で当事者の人たちも分かってくると思う。そういう意味で、特区という形で始まったのは正解でしょう。

 山崎博史 ネットスタイル

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医師の「情報不安症」

山崎博史 ネットスタイル

以前、製薬メーカーは情報産業だと言っておりましたが、それはインターネットが一般的に普及する前の話になってしまいました。少し以前までは、医師が情報を得ようとするならば、学会へ出かけるか、学会誌または専門誌に頼らなければなりませんでした。それも、相当製薬メーカーのサポートが必要であったことも事実です。ですのでMRはそれなりに医師それぞれのニーズを掴んで会社が持っている様々な情報をあれやこれやと提供できたわけですし、貢献もできてきたはずです。

さて、現在、疾病、治療に関する情報はインターネット上にほぼ生涯を通しても読みきれない、ましては知識として昇華できないほどの量が存在しています。例えばオプジーボpubmedでは2.627件、Google scholarに至っては23,200件の論文が検索できてしまいます。学会も世界中で催されていますし、日本だけに限っても全ての発表、ポスター発表を医師が網羅することは極めて困難な状態です。しかもがん、自己免疫疾患、認知症と病態が非常に難しく、薬剤も今までの低分子化合物ではなく、薬物治療も非常に気をつけなければならない時代になってきました。

今、医師の立場から見れば一つの疾病、薬剤に関する情報が爆発的に増えてしまって、「自分が見落としている情報があるかもしれない」という脅迫概念に陥っている状態です。今までは、情報を得る手段がなかったので存在さえも分からなかった論文など目の前に現れてしまって、アップアップしているという状態です

本社のマーケティングの人なども、ベンダーが様々なデータを作って持ってくるので、それに振り回されているのと同じです。昔はm3もケアネットもなかったので大掛かりなデータはIMSぐらいでしたね。

このように医師を含め、全ての人々が「情報不安症」という厄介な病気にかかってしまいました。本来なら製薬メーカーの責務としてこの爆発的に増えた情報を個々の医師に対してカスタマイズし提供しなければならないはずですが、今、製薬メーカーができることはDI情報だけになってしまい、本来の情報産業という姿からはほど遠いものになってしまっています。

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How AI is driving new medical frontier for physician training

昨晩、大学病院の外科医と食事していた時に、この記事の話題を出したらとてもびっくりしていたし、とてもすばらいい取り組みだと言っていました。しかも、この記事がアメリカ医師会のサイトにあることです。アメリカ医師会は新しいテクノロジーに非常に積極的に関わってきております。さらに、この記事の真骨頂はデューク大学医学生が今までと違った視点から疾病を解決しようとしていることです。当たり前のことですが、医療の世界もテクノロジーはどんどん入り込んでいますし、今までは外部のテクノロジーを医療に融合させてきていたのを、医療の中心からテクノロジーを生み出していこうといていることです。

wire.ama-assn.org