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ギャンブル依存症〜精神疾患全般の患者数が減らない現状〜

 社会保障審議会が厚生労働省の療養病床の一部を介護施設に転換する案を大筋合意したと報道されました。増大する医療費を抑制することが大きな目的です。そこで病床数は現在どの程度か厚生労働省の資料を見てますと、平成28年1月末の数字で、以下のようになっています。(病床数とはベッド数のことです)そして、この療養病床33万床のうち、医学的管理の少ない6万床を介護施設に転換するという流れです。

  • 精神病床  335,585床
  • 感染症病床  1,833床
  • 結核病床  5,485床
  • 療養病床  328,901床
  • 一般病床  892,956床

と、ここまで書いて、気づかれた方もおられると思いますが、精神病床の方が多いです。精神病床に入院している患者さんの詳しい資料は、厚生労働省の資料にあります。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000264pr-att/2r985200000264zi.pdf

 

すると、精神疾患の患者さんが日本は多いのかというとそうでもないようです。統合失調症に限ると、World Health Organization(WHO)の資料からと163位と高くないことがわかります。ちなみに韓国は50位です。

https://en.wikipedia.org/wiki/Epidemiology_of_schizophrenia#cite_note-15

 

では、なぜこれほどまでに病床数がおおいのか?実は、日本は突出して多いことがOECDの資料からわかります。主な原因として他国は普通に通院しながら治療していくスタンスなのですが、日本は隔離してしまう慣習が未だ残っているようです。医療費を抑制するには、入院から通院への流れも必要だと感じます。さらに国民の理解も必要になるでしょう。

 

 

さて、本題のギャンブル依存症の話ですが、全国に536万人の患者さんがおられるということです。精神疾患全般の患者数が減らない現状でこれ以上患者数を増やすのは得策でないと思います。仮にカジノを開いたとしたら、胴元の収益は全て精神疾患の治療費に回すとかしたら良いでしょうが、これではそもそもの解決にはならないでしょうね。

 

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