医療ビジネス

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終末期のヘルパーの役割

先日行われたケアカンファレンスでは、終末期の患者さん(90歳以上、男性、独居)についてケアマネージャーを司会に、医師、看護師、ヘルパー、ディサービスなどを交えて意見交換を行った。ケアマネージャからこの1ヶ月ほどの現状報告を総括してもらいながら、それぞれの職種から細かな報告をいただいた。この患者さんの場合、いつ旅立たれてもおかしくない状態であるので、これからの介護の方法や、その時を迎えた時の対処の仕方を再確認するという事になり、それぞれの職種から医師へ質問し、医師からアドバイスを受けながら詰めていった。詳細は省略するが、点数稼ぎのケアカンファレンスも多い中、総勢16名参加のカンファレンスは意義のある1時間であった。

ここで、特に銘記したいのは、ヘルパーの心構えである。今般、ヘルパー募集の求人は多く、それは、要介護者へのいろいろなサービスであり、お世話をするのが好きで人付き合いの良い人はなりたい職種の一つであり、そうして希望する人も多いと思う。インターネットで「ヘルパーの仕事」で検索すると、どのような仕事をするか紹介されているが、それは事業者から依頼を受けたら、利用者の家に自宅から直接行って、指示された内容のサービスを提供し、仕事が終わったら、報告書を書いて、帰るというおおよそそのような説明がされている。

しかし、そのような元気な状態の介護が永遠と続くわけもなく、最後は看取りの時を迎える。ヘルパーはその最後に遭遇する機会が誰よりもあり、この時に慌てずに対処しなければならないのだが、人の死を目の前にして、滞り無く仕事を全うするには、いわゆる介護サービスという領域からは外れてしまっており、おろおろするということになってしまっている。やおら、事業所へ電話を入れるも、事業所のスタッフが状態を知るすべもなく、こちらもオロオロして医師への連絡が遅れてしまったり、取り急ぎ、救急車を呼んでしまい、病院へ搬送してしまって担当医師への連絡がなくなってしまったりする事もおこる。

今回も介護サイドからは不安の声があり、ケアカンファレンスでもヘルパーからはその時を迎えたときの、対処の仕方を再確認してもらい、安心して仕事を進めてもらうようにした。かようにヘルパーの仕事は難しい場面もあり、このような場面に遭遇するとはおもや思わず、ヘルパーになろうとする人も多いのではないだろうか。