医療ビジネス

医療系、健康系のアプリケーションは今後注目株です。開発、マーケティングのアドバイスはお任せください。ご連絡、お待ちしております。医療や介護の諸問題についても解説します。講演の依頼もお受けしております。

Big data needs big storage buildings

未だ、オンプレミス信仰の熱い日本企業特に中小企業は、この記事を読んでいかにデータセンターが強固で安全対策をしているかを知ることができるでしょう。面白いのは、NEWYORKTIMESの印刷所がデータセンターに変貌したというくだり、そういう転用もあるんだなと感心しました。 ちなみに昔、データセンターでサーバーの設定のためにこもったことがありますが、耳がごわーんとなり辛かったのを思い出しました。

 

www.theglobeandmail.com

医療の現場からMRを見る vol.5

 製品説明会の流れは各社ほぼ同じようなパターンのようです。自己紹介から始まり、製品の特徴、プラセボとの各種比較、副作用、薬価。途中で、取ってつけたような質問。「先生の所ではこのような患者さまはおられるでしょうか?」


 MRさんの話し方でおおよそ本人が製品を理解しているかどうかは判断できます。少なくともパワーポイントに書かれている内容を理解している場合、堂々と話すのですが、分からない箇所にくると、早口になったり語尾があいまいになったりします。特に、グラフを表示している箇所は多くのMRさんは苦手のようで、早く次のページに移りたいという気持ちが表情や言葉に表れます。すると、こちらは「この人は、ここが分からないのだな」とすぐに察知してしまいます。


 要は、パワーポイントに書かれていることを口に出しているだけだということです。あるMRさんの場合です。一通り説明が済んだあと、簡単な質問をしました。するとそのMRさんは「その質問に関しては台詞(せりふ)にありません。」と回答されました。こちらとしてはどうしたものか逆に困惑してしまいます。私はMRさんを一律に責めるつもりはありません。それよりも、このようなパターン化したプレゼンテーションを指示している部署に対して、面談や説明会は「誰の時間」であるかを再考していただきたいと思っています。引き続き掘り下げていきましょう。

医療の現場からMRを見る vol.4

 私はJ大学のS教授と、ある研究会でご一緒させていただいています。今月も福島へ研究会絡みで出かけました。その帰りにMRについて聞いてみたところ、次のように仰いました。「私の頭の中では10以上の重要な案件を同時にこなしている。それぞれ優先順位があって、ひとつ片付けば次の重要な案件が入ってくる。MRに会うことは、優先順位の最後です。」 医師との面談や製品説明会は貴重な時間です。前回も最後に触れましたが、この点が分かっていないMRが多いのが気になります。それを一番感じるのは次のことです。

 いつから誰が始めたのか知りませんが、製品のプレゼンテーションの最初に自己紹介のスライドが入ることです

f:id:hayamakikorin:20170909071443j:plain

。名前から始まり、出身地、出身校、趣味、などなど。そして、2回目以降は、休みの日に行って来た旅行の写真やら、最近太って来たので運動していますと、体重のグラフを表示してみたり、まぁ、聞いている分には楽しいのですが、大きな勘違いをしています。

 これはあなたの時間ではないということです。M医院では、午後から訪問診療に出かけます。そのため、製品説明会に割ける時間はほんの僅かです。しかし、マイペースでプレゼンテーションをしているものですから、時間が足りなくなってきます。看護師が先生に「もう出かけないと、患者さんの自宅に間に合いませんよ」と促すことがしばしばです。

 確かにこのような話を聞くのを楽しみにしている医師がいることも事実です。しかし、そんなことはどうでもいいと思っている医師が大半です。これについてはもうすこし深く掘り下げていきます。

医療の破壊的イノベーション

アクセンチュアの最新のレポートによると、テクノロジー企業の85%とベンチャーキャピタルVC)企業の77%が、医療の破壊的イノベーションを最優先課題の1つと考えているようです。それは、私たちの周りに多くのビジネスチャンスがあり、すべての企業がこのビジネスチャンスを生かして企業業績をより良いものにしようとしています。

f:id:hayamakikorin:20170818093136j:plain

こにブルーオシャンが在り、自分たちの強みを活かせるかを考えていることと思います。ウェアラブルやセンサーの普及はすでに医療業界において影響力を持ちつつあり、医療用IoT市場は2020年には1,700億ドルと見積もられています。またHIMSSのレポートには2019年には87%医療機関が何らかのIoT機器の導入をしているとレポートを出しています。その中でよく出てくるキーワードがpatient experienceです。なぜ今このキーワードが注目されているかを考えてみましょう。

 

現在、医療機関IT化は医療機関内のIT化、また、介護の世界では介護従事者と医療従事者との連携のシステム化などが論じられてきています。これは提供者側のシステム化に他なりません。民間企業なら20世紀には企業内システム化は導入済みです。言葉を変えると、IT化をしないと競争に負けてしまうからです。一方、医療の世界ではほぼ競争が行われなく無理にIT化をしてもその投資に見合うだけの見返りが期待できませんでした。ところが、ここにきて院内のシステム化がほぼ一巡し、いよいよ院外のシステム化が始まろうとしているわけです。おそらく他の産業から20年以上は遅れており、まさに未開拓の市場であり、IT企業や投資家がこの耕されていない土地に一画千金を狙ってきているわけです。特にアメリカでは、医療機関もサービス産業の一つです。一般の企業がどこの保険サービスと契約するかは、他の産業と同様に魅力的なサービスを提示しなければならなくなってきています。では実際に世の中でどのようなことが起こっているかご紹介しましょう。

 

まず最初にご紹介するのはMicrosoft社の「Healthcare Future Vision」です。


Health Future Vision

この動画が発表された時にはまだiPhoneが発表される前だったと記憶しています。これを見て、いつかはこういう世界になるのだろうと思ったものです。が、今見返してみると、ほぼ実現されつつあることに驚きが隠せません。

 

次にご紹介するのは英国のSense.lyです。


Sensely virtual health assistant "Molly"

英国のNHS(保険サービス)は相当な財政危機に陥っています。ご存知のように英国ではかかりつけ医が決まっており、そこで受診する限り医療は原則無料です。日本でも以前高齢者の医療費が無料だった頃に差し迫った疾病がないにも関わらず医療機関を受診する人が多く、医療費を圧迫してきました。同様のことが英国でも起こっています。Sense.ly社はアメリカの企業ですが、sensely appNHSgが共同で実証実験をしているのがこのサービスです。NHS(国民保健サービス)によりトライアルされている sense.lyは自然な会話で患者とドクターを結ぶバーチャル・ナースです。名前はoliviaです。彼女は365日、24時間患者に対応することができます。 

次にご紹介するのはmycahealth社です。この企業もiPhoneが登場する前からBlackberryなどで医師と患者がtelemedicineができるシステムを提供してきていました。

この動画は、ユーザーが時間的ロスを如何に減らすことができるかを面白おかしく紹介しています。


The Hello Health Experience

アメリカでは日本のように好きな医療機関にかかることができなくて契約している指定された医療機関を受診しなければなりません。当然、このような時間的ロスが発生します。この動画みた経営者は、当然従業員の生産性の問題からこのようなtelemedicineを提供している医療機関と提携したいと考えるでしょう。

 

そしてこのmycahealth社のシステムを導入している企業がQualcomm社のHealth Centerです。


Qualcomm Health Center: The Clinic Without Walls

Quallcommの従業員は診察室に行かなくてもネットでいつでも繋がることができるようになっています。

 

次にご紹介するのは、まだ実現はしていませんが実に夢のあるプロジェクトXプライズ財団の「Qualcomm Tricorder X PRIZE 」です。


Qualcomm Tricorder XPRIZE

Xプライズ財団では様々な分野でブレークスルーを起こす挑戦的な課題のコンペを実施しています。「Qualcomm Tricorder X PRIZE 」はその一つです。「Tricorder」とは、アメリカの人気テレビ番組「スタートレック」に出てくる非侵襲性のバイオアナライザーです。非侵襲性のアナライザーは患者にとって負担がなく、多くの科学者がこの実現を夢見ています。今回のコンペでもこのToricoderを目指すコンペです。

今回台湾のDynamical Biomarkers Groupが優勝しました。


Final Frontier - Qualcomm Tricorder XPRIZE

 

今回ご紹介する動画はほんの一部です。世界では多くの革新的テクノロジーが生まれつつあります。ただし、ここで注意を要するのは、すべての医療機関がこの先進的なテクノロジーを導入できる体力があるかというとまだまだでしょう。

最後に現実を示す動画をご紹介します。Allscript社のEHRのシステムです。


Allscripts Provides Healthcare Solution on E-Prescribing

現実はまだまだというところしょうか?

 

in the future

最後に未来の医療の姿はどうなっているのでしょうか?未来は未来の人に聞いてみましょう。この動画は今年の世界経済フォーラムPhilipsが紹介した子供たちへのインタビューです。


#YoungWEF: What does the future of health look like?

保存保存

今どき、ICTではないのだけれども

 昨年の暮れに塩崎厚生労働大臣の記者会見で、大臣がICTという言葉を使われた時に、非常に違和感を感じました。これは、第2回未来投資会議で「医療・介護分野に置けるICT活用」の発表を受けてのことだど思うのですが、それ以上にこの資料の中を見ると、「ICTAI等を活用した医療・介護のパラダイムシフト」という項目があり、さらに目眩がしそうになった頃は言うまでもありません。その後、医療関連ではICTという言葉が頻繁に出てくることに気がつきました。先月ある大手電機メーカーの医療関連の催しに出向いた際も、ICTという言葉が頻繁に出てきましたし、講演でもICTという言葉が出てきました。

 

 この違和感は、ICTという言葉、概念が1990年代に使われてきたものであり、それはまさに第3次産業革命の後半に出てきたものです。今更説明する必要もありませんが、定義としておさらいしてみるとITは情報技術そのものを指すものであるのに対して、ICTはその利活用を指していると言われています。日本では「e-Japan戦略」が策定されたのが2001年です。その後、2005年には総務省の「IT政策大綱」が「ICT政策大綱」に改称されて一般的ICTが広まった経緯があります。その本質はITを利活用することによる、人と人、人とモノを結ぶコミュニケーションです。では、第4次産業革命はいつから始まったか?というとドイツが2011年に「Industry 4.0」を産業改革プロジェクトとしてスタートしたことによると一般的に認識されています。この第4次産業革命の本質はAIIOTを活用した産業構造の変革です。特に製造現場におけるAIを使って製造工程の管理などがその典型例でしょう。

 

 話を戻して、私が抱く違和感というのは、医療産業を含めた医療業界では、第3次産業革命から第4次産業革命までの長い期間を跨いで変革が起こっているということです。実際のところ、未だ、電子カルテも導入していない医療機関は非常に多く、紙のカルテを使っている現場と、次回詳しくご紹介しますが、英国のNHSNational Health Service)がテスト導入しているAIを使った看護サービスとその差は歴然としています。一般の業種であれば、同じタイミングで技術革新が進んでいき、技術革新に乗り遅れた企業は市場から消えていくしかありません。ところが、医療業界では、どれほど技術革新に乗り遅れても困ることがありません。

 

 よく医療業界はIT化が遅れていると言われますが、乗り遅れても問題はなかったということに起因するものと思われます。具体的な例をご紹介しましょう。皆さんも気づいておられることと思いますが、大抵の医療機関、特に診療所では、未だ現金のみの支払いです。しかも支払いの段階になるまで幾らかかるか分からないので、患者の立場に立てば、クレジットカードが利用できたらいいのにと思っている人は多いと思います。また、私の知っている医師は、過去に遡ってカルテを見ても手書きなら、その時の状況が思い出される。だから電子カルテは不要であると仰っておられます。さらに、職員の給与が現金払いという所も未だあります。

 

 ただし、この傾向が続くことはないでしょう。その一つに、医療機関間のネットワーク化が進むことがあります。この4月から日本医師会認証局をスタートさせることからデータのやり取りも本格的になります。ネットワークに入れない場合、患者数が減ることになります。例えば、がん拠点病院で乳がんの手術をした後、自宅近くの乳がん専門クリニックで経過を診てもらう場合、拠点病院は患者データーをやりとりできるクリニックを推薦することは想像に難くないでしょう。二つ目に前回お話ししたように、健康、医療、介護に垣根がなくなってきてシームレスなサービスが提供できなければ患者が来なくなる可能性があります。例えば、スポーツクラブでの運動量をクリニックでの参考資料にしたりすることも今後起こってきます。三つ目に、おっとこれはここに書くには微妙な問題があるので機会があればということで。

 

f:id:hayamakikorin:20170531183511j:plain

Fitbitの2000万人の利用者から

Fitbitが2000万人の利用者のデータを分析して公表しています。前回はアメリカ国内での調査でしたが、今回はワールドワイドです。これを見ると、アイルランドがトップですが、日本人も結構歩いていますね。ただし、睡眠は日本はランク外でした。

全体的に見ると、ヨーロッパの人が比較的アクティブに動いているようです。

 

blog.fitbit.com

 

 

イヤホンとセットのFitbit

Yahoo Financeのニュース。Fitbitの新製品は別売りのイヤホンとセットになっているらしいです。見た目がレトロすぎて、従業員からは不評のようですが。

主な機能には、内蔵のGPSチップ、心拍モニタ、非接触支払能力、十分なストレージが含まれていると報告されています。また、Pandoraの音楽を再生し、4日間の電池寿命があるようです。

 

finance.yahoo.com